アフォーダンスとハムストリングスの機能的柔軟性ワーク

変形性股関節症と歩行

年末から1月にかけて多忙過ぎたため、その頃借りたまま家に積んであった図書館本を今頃まとめ読みしている(^^;

で、昨夜読了したのが元400メートルハードル銅メダリスト為末大さんのお勧め本、佐々木正人著「新版 アフォーダンス」だったのですが、これもかなり心に響く内容でした。

アフォーダンスとは、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語で、「環境が動物に与え、提供している意味や価値」のことだという。良いものでも悪いものでも、環境が動物のために備えているのがアフォーダンス。動物の中には、人間も当然入ります。

 

良くも悪くも環境から様々に影響を受け、環境に呼応し、環境と自身を調和させながら命を繋いで来た人間。では、人体はどのような知覚システムを使って複雑な環境情報を検知し、対応につなげているのか?

 

本書でこれに対する答えを読む中で、今回ワタシ的な感動ポイントは大きく次の2点がありました。

 

まず、五感というのは感覚器官をもとにした用語なのですが、環境を知覚するために動物は感覚器官それ自体の働きに加え

複数のシステムを繋ぐ動き

を駆使しているということ。(ならば筆者の言うように第六感て、必ずしも特殊能力じゃないのかも(^◇^;)。瞑想によって感覚を研ぎ澄ませる意味も、きっとこういうところにもあるのね!)

 

もう一つは運動について。

 

運動の単位は個々の筋や関節や運動ニューロンにではなく

身体のマクロな連結にあり、

身体各部位の協調にある

ということ。

 

やっぱ、そうでしょ。

そうなんだよね~~!!

 

前回の記事の、別の本の感想の時にも書いたけど(^◇^;)、それこそ私が、ここ数年に渡る変形性股関節症リハビリの中で少しずつ学習し、今じゃかなりの実感を持って理解するようになってるつもりのヒトの動きの真実

 

変形性股関節症で股関節の軟骨を無くした我々は、軟骨の無い関節を庇うために?拘縮して動き辛くなった筋肉を股関節周辺に沢山抱えているため、まずは硬くなった筋肉をひとつひとつほぐし、ある程度ほぐれたら次には弱くなった筋力を戻すために鍛え直す必要があるわけです。

 

でもね。

 

その際に、失われた特定部位の個別筋肉に働きかけるだけでは不十分で、リハビリとしての筋トレは、あくまでももっと大きな全身的な動きの中で、他の関節や筋肉部位と協調する形で全体としての連結機能を立て直す観点から行う必要があるんだと思うのです。

 

変形性股関節症のハンデがあっても尚、練習がすぐさま進歩につながる(ありがたい)ヨガと違い、相変わらず苦手のまんまずーっと何年も推移して来た「歩行」という変形性股関節症的難題。

 

師が昨夏にYouTubeにアップされた「ハムストリングスの機能的柔軟性のためのワーク」を最初にやってみた時には、特に変形が進んだ末期の右脚を軸足にすること、それ自体が難しかった。右脚だけで立つ時、いちいち右股関節に痛みがあったので、このワーク、私には無理だなと。(師のワークアウト動画はこちら

 

だけど、その後ヨガでバランス系のポーズが出来ないことに気づき、それを克服するためには「右足を軸足にして地面を踏む」ことが出来るようになることがマストだと気づいてから考えが変わった。どう変わったかというと・・・シンプルに、あのワークが自分には無理だと思うことを止めたのでした^^;

 

椅子を使った戦士のポーズで椅子を外すのは無理、と思うのを止めたのと、それは同じタイミング。昨年2020年の11月のことです。

 

「無理」を手放すと、そこから変化が始まりました。

 

右足で地面を踏む感覚というのは相変わらず入って来ないまま(^◇^;)入って来るのを頭で想像しながら毎日少しずつ師のワークをやってみました。

 

するととりあえずだんだん慣れて来て、右足で踏む感覚は相変わらず全くわからないながらも(^^;;、右を軸足にすると股関節痛が出ることは、いつの間にか無くなっていました。(ワークを続けることで克服できるタイプの痛みと、続けることによって悪化するタイプの痛みの違いを、リハビリ歴の長い私は既にある程度自分でジャッジ出来るようになっています。ここは注意どころなので、慣れないうちは必ず専門家のご指導を受けながら進めることが大事です。)

 

そうこうするうちに徐々にだけれど、10回やるとその中の1-2回は「地面を捉えて踏む」感覚がわかるようになって来た!\(^ω^)/

 

そうなるとまた少しずつ、軸足にしてる右足のグラグラが多少マシになって来て

 

さらにここ二週間ぐらいかな、股関節症進行期の左脚同様、末期の右脚でも、このワークを長くやると、最終的にはイイカンジに

お尻と腿裏が疲れる!

ようになって来たのですよ~~~!!\(^ω^)/

 

つまり、実際の歩行に必要な身体動作において、数ヶ月に渡って協調と連結を再構築させる試みを繰り返した結果、必要な知覚がターゲット筋に、ようやくやっと、到達したんだと思います。

 

嬉しくなって試しに動画を撮ってみると思った以上にまだかなりヨロヨロしてたけど(追記:師に動画を見て頂いたところ、軸足がふらつかないのが優先なので慣れるまでは壁を使うようにと指示が^^;)でも実際今、坂道とかも少しずつ歩けるパワーがついて来ている実感があります。このまま練習を続けて、2年後ぐらいが楽しみ。

 

さて、本日最後はまた「アフォーダンス」に戻ります。変股症罹患以来、まずは身体から人生を考えるのがすっかりデフォルト化してる私が、一瞬座右の銘にしたいと思ったぐらい、感動的な文章でした↓。

環境の中の情報は無限である。それを探索する知覚システムの組織も生涯変化し続ける。知覚システムは、どのような環境と接触して来たかによって異なる個性的なものであり、情報の豊富さに対応するように分化し続けることで固有性を持つ。しかし、個性があるだけではない。包囲する情報は誰にでもアクセスできる可能性を持っているので、どの知覚システムにも共通項がある。知識を「蓄える」のではなく、環境に触れて、「身体」の振る舞いをより洗練されたものにし、さらに多くの奥深い環境の意味に触れることが出来るようにしてゆくこと。それが、発達することの意味である。

「新版 アフォーダンス」佐々木正人 P96

 

命ある限り良くも悪くも環境の中で、環境と調和しながら生きる私たち。どうせなら日々きちんと自分の身体に向き合って行くことで「さらに奥深い環境の意味」にも、触れて行かれる今後になったら嬉しいなぁと改めて思いました^^

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